事務所での不支給決定事案、東京地裁で逆転勝訴!!詳しくはこちらを
申し訳ございません。ただ今、業務多忙につき新規のご相談・受付は行っておりません。
精神障害の等級判定ガイドラインが決まりました。
障害基礎年金(国民年金)の等級決定に関しては、各都道府県によってかなりのばらつきがあることは、以前より厚生労働省も認知していました。
この都道府県ごとのばらつきを是正するために、平成28年9月1日から、ガイドラインに基づきほぼ画一的に等級が決定されていきます。(てんかんを除く)
今回の特徴は、評価の数値化です。
診断書の記載項目のうち、「日常生活能力の程度」の5段階評価と、「日常生活能力の判定」の7項目の平均値を組み合わせることで、どの障害等級に相当するかを一覧表にして示しています。
まずは、診断書の裏面の左側にある 7項目「日常生活能力の判定」の4段階評価について、 程度の軽いほうから1~4の数値に置き換え、その平均を算出します。
「日常生活能力の判定」7項目とは・・
①適切な食事がとれるか ②身辺の清潔保持ができるか ③金銭管理と買い物ができるか
④通院と服薬ができるか ⑤他人と意思伝達や対人関係が構築できるか
⑥身辺の安全保持や危機対応ができるか ⑦社会性があるか
診断書の裏面右側にある「日常生活能力の程度」を5段階で評価し、各々の評価が一覧表の目安(下記)のどこの部分に該当するかで、等級がほぼ自動的に決まっていきます。
「日常生活能力の程度」の5段階とは・・
(1)社会生活が普通にできる
(2)家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要
(3)家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要
(4)日常生活における身の回りことも、多くの援助が必要
(5)身の回りのこともほとんどできないため、常時の援助が必要
一応、この表だけで画一的に決めることはしない旨の記載はありますが、各都道府県ごとの認定医は、この表に相当引きずられると思っています。
このガイドラインにより、今後は、ほぼ画一的・自動的に等級が決定されていくことになるでしょう。
**平成29年4月以降、各都道府県の認定医による審査はなくなり、東京の障害年金センターで一括審査となりました。これによりばらつきは解消されていますが、この基準は現在も適用されています。**
<障害等級の目安>
(5) | (4) | (3) | (2) | (1) | |
3.5以上 | 1級 | 1級又は2級 | |||
3.0以上3.5未満 | 1級又は2級 | 2級 | 2級 | ||
2.5以上3.0未満 | 2級 | 2級又は3級 | |||
2.0以上2.5未満 | 2級 | 2級又は3級 | 3級又は3級非該当 | ||
1.5以上2.0未満 | 3級 | 3級又は3級非該当 | |||
1.5未満 | 3級非該当 | 3級非該当 |
縦の数値は、診断書の記載項目である「日常生活能力の判定」の4段階評価について、 程度の軽いほうから1~4の数値に置き換え、その平均を算出したもの。
横は、診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」の5段階評価を表わす
糖尿病の認定基準が変更になりました。
糖尿病の場合、合併症の有無とその程度、血糖のコントロール状態、治療および症状の経過、具体的な日常生活状況を考慮し、総合的に認定されるとされていました。
上記の中で、特に合併症の有無とその程度に重点が置かれていたのが実情です。
その為、糖尿病単独で認定されるケースは、稀でした。
しかしながら、今回に改正により、90日以上インスリン治療を行っていても、血糖コントロールが困難であれば、たとえ合併症がなくても認定されることになります。
血糖コントロールが困難なものとは、下記のいずれかを言います。
1)内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/ml未満。
2)意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月に1回以上ある
3)インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上ある
上記のため、日常生活の制限が生じている場合です。
なお、今回の変更により診断書の様式も変わっています。
障害年金を請求し、無事に年金が支給されればそれに越したことはありません。
しかし、全ての請求が認められるわけではなく、当然不支給の決定を受ける場合もあります。
その救済として、審査請求という不服申立の制度が存在します。
まずは、地方レベル(社会保険審査官)での不服審査、それでも、決定をくつがえすことができない場合は、国(社会保険審査会)へ再審査請求をします。
そして、さらに決定をくつがえすことができない場合、はじめて裁判に移行します。
これが、不支給をくつがえす為の流れです。
不支給決定通知には以下のように記載されています。
「上記の決定について不服があるときは、この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に文書または口頭で、年金請求書を提出した年金事務所の所在地の社会保険審査官(地方厚生局)に審査請求ができます。」
今回の改正によって、60日以内の部分が、3か月以内に変更になりました。
単に、期間が延長になっただけで、審査が甘くなったわけでありません。
依然として、審査請求の道が険しいことに変わりありません。
(2014年度、地方レベルでくつがえったのは約6%、国レベルでは、約23%)
「障害年金は、一発勝負だ」といわれる所以がそこにあります。
「年金相談 予約制に 10月めど 待ち時間解消へ」という見出しが平成28年1月30日読売新聞夕刊に掲載されました。
いま全国に312か所の年金事務所がありますが、事前予約を一括して受け付ける「電話予約センター」が新設され、利用者が希望する日時と相談内容を伝えると、相談可能な時間が案内されるそうです。
もちろん、今までのような予約なしの飛び込み相談も可能ですが、原則として、事前予約制が基本となります。
実を言うと、この予約制度、いまでも年金事務所ごとに実施されています。
私も、障害年金の相談や申請時には必ず利用しています。待たされませんので・・・
ただ、周知徹底がなされていない為、一般にはあまり利用されていません。
利用できる曜日も時間帯も年金事務所ごとにまちまちなのが実情です。
「電話予約センター」が設置されれば、全国どこでも同じ運用がなされると思います。
月曜日や連休明けなどは、待たされる時間が1時間を超えることがしばしば。
平成28年10月以降、本格実施ですが、それを待たずに、いまからでも各年金事務所に問い合わせて、予約をご活用ください。